【家族信託】親の銀行口座が凍結される前にできること

家族信託

親の口座が凍結される前にできること

【対策1】親のキャッシュカードを使えるようにしておく
【対策2】金融機関の代理人サービスを利用する
【対策3】生前贈与を非課税枠110万円まで、子供の口座に移しておく
【対策4】認知症になっても引き出し可能な信託口座を契約しておく

【対策1】親のキャッシュカードを使えるようにしておく

親のキャッシュカードを使えるようにしておきます。暗証番号も聞いておきます。キャッシュカードと暗証番号があれば、簡単にお金を引き出すことあできます。罪悪感はありますが、親の承諾があって、親のためにお金を使えば問題ないと思います。

メリットデメリット
・一番お手軽にできる              ・ATMでは引き出せないまとまった額を下ろせない(窓口に行く必要あり)
・本人確認が必要な定期預金の解約はできない
・キャッシュカードを紛失してしまうと何もできなくなる(カードの再発行には窓口で本人確認が必要になるため)

【対策2】金融機関の代理人サービスを利用する

金融機関には代理人サービスというものがあります。親が元気なうちに事前に申し込んでおけば、親が銀行窓口に行けなくなった場合、本人に代わって代理人が手続きができるサービスです。

メリットデメリット
・自分が代理人となっているキャッシュカードと自分の設定した暗証番号でお金を下ろすことができる・対応できる金融機関がまだ少ない
例)東京だと東京三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、ゆうちょ銀行など大手金融機関は対応しています。
・本人確認が必要な定期預金の解約はできない
・キャッシュカードを紛失してしまうと何もできなくなる(カードの再発行には窓口で本人確認が必要になるため)

【対策3】生前贈与を非課税枠110万円まで、子供の口座に移しておく

親が元気なうちに子供の口座にお金を移しておきます。年間110万円までは非課税で親から子へ贈与することできます(暦年贈与)

メリットデメリット
・親の相続財産を減らすことできるので
節税対策になる。
・贈与契約を結ぶ必要がある
・相続時点から3年以内(法改正により7年)の贈与には相続税がかかる

【対策4】認知症になっても引き出し可能な信託口座を契約しておく

最近、金融機関がサービスを提供し始めた親が認知症になっても代理出金可能な銀行口座(信託口座)を作っておく

メリットデメリット
・自分が代理人となってキャッシュカードで親の預金口座のお金を下ろすことができる
・家族以外の後見人でも申し込みができる(親が認知症になっても)
・対応できる金融機関が少ない(2023年5月時点で確認できている三菱UFJ信託銀行、さわやか銀行、城南信用金庫の3つだけ)
・信託手数料や口座維持費用がかかる

以上、4つが親が認知症になって口座凍結される前にすぐできる対策です。本格的な認知症による銀行口座凍結を回避するや財産に不動産も含まれている場合には元気なうちに家族信託することも検討いただければと思います。