今回は第一種動物取扱業の申請の前に都市計画法、建築基準法に基づいた確認、用途地域の確認について記事を書いてみたいと思います。
■第一種動物取扱業の申請の前に確認が必要
東京都動物愛護相談センターのホームページには、以下のように【都市計画法・建築基準法の確認】
申請の前に必ず業を営む地域の各区市町村の担当課(都市計画課、建築指導課など)に事業内容を説明し、業を営むことができるかどうかの確認をしてください。第一種動物取扱業を営むことができない又は建築物に制限がかかる地域があります。
では、具体的にはどのような確認が必要なのでしょうか。

■都市計画法とは?
都市計画法とは「私たちが住む街や地域をどうやって整備し、使いやすい場所にしていくかを決める法律」のことです。第一種動物取扱業の申請においては、都市計画法第8条、第9条に定めている地域地区(用途地域)が大きく関係していきます。用途地域とは都市計画区域を13に分けて、大きく住宅地域、商業地域、工業地域の3つに分けて、私たちが暮らしやすいように地域を区域割りしています。
第一種動物取扱業の申請の前には第一種動物取扱業を営むことができる地域かどうかの確認=用途地域の確認が必要になります。

ちなみに以下の用途地域マップで住所を選択すれば用途地域を調べることができます。

建築基準法とは、建物の敷地、構造、設備、用途に関する最低限の基準を定めた法律です。建物の構造(耐震性、防火性能)や用途、敷地の条件(建ぺい率、容積率、高さ制限)、建築物の設備(電気、ガス、給排水など)、そして都市計画との整合性を定めております。
第一動物取扱業と用途地域について
では、ペットショップやペットホテル等の開業は13ある用途地域のうち、どこで開業できるのでしょうか。当方で調べたところ以下の通りです。基本的にペットショップ、ペットホテル、ペットサロン(トリミングサロン)、ペットカフェ、ブリーダーは同じですが、ブリーダーは開業NGの用途地域に第二種中高層住宅専用地域が追加されます。
種別 | 開業可能な用途地域 | 開業NGの用途地域 |
ペットショップ | 第二種中高層住宅専用地域※1 第一種住居地域 第二種住居地域 準住居地域 近隣商業地域 商業地域 準工業地域 工業地域 | 第一種低層住居専用地域 第二種低層住居専用地域 第一種中高層住居専用地域 田園住居地域 工業専用地域 |
ペットホテル | 第二種中高層住宅専用地域※1 第一種住居地域 第二種住居地域 準住居地域 近隣商業地域 商業地域 準工業地域 工業地域 | 第一種低層住居専用地域 第二種低層住居専用地域 第一種中高層住居専用地域 田園住居地域 工業専用地域 |
ペットサロン(トリミング) | 第二種中高層住宅専用地域※1 第一種住居地域 第二種住居地域 準住居地域 近隣商業地域 商業地域 準工業地域 工業地域 | 第一種低層住居専用地域 第二種低層住居専用地域 第一種中高層住居専用地域 田園住居地域 工業専用地域 |
ペットカフェ(猫カフェ等)※2 | 第二種中高層住宅専用地域※1 第一種住居地域 第二種住居地域 準住居地域 近隣商業地域 商業地域 準工業地域 工業地域 | 第一種低層住居専用地域 第二種低層住居専用地域 第一種中高層住居専用地域 田園住居地域 工業専用地域 |
ブリーダー | 第一種住居地域 第二種住居地域 準住居地域 近隣商業地域 商業地域 準工業地域 工業地域 | 第一種低層住居専用地域※1 第二種低層住居専用地域※1 第一種中高層住居専用地域※1 第二種中高層住宅専用地域※1 田園地域 工業専用地域 |
※2 飲食を提供する場合、保健所への飲食店営業許可の申請が必要
ただし、自治体により判断が異なるため、開業可能であっても、場合によっては許可されない場合もありますので、開業を予定している地域を管轄している自治体へ事前確認が必要です。また、用途地域として認められている場合でも、店舗兼用住宅での飼養施設(畜舎)に関する判断が自治体によって分かれているので注意が必要です。
用途地域では制限されていても自治体が許可する場合もある
逆に用途地域では建築できないとしていても、自治体が周辺市街地環境を害するおそれがない、または公益上やむを得ないとした場合、許可される場合があります。具体的には建築基準法48条の但し書き、に規定されています。この建築基準法48条の但し書きをつけて、一定の条件を付けてペットサロン(トリミングサロン)の開業を許可している自治体へもあります。

大阪府箕面市の事例をご紹介します。

まとめ

第一種動物取扱業の申請の前には用途地域の確認が必要です。ペットホテルやペットサロンなど開業を予定されている場所が用途地域の制限がされてないか自治体に確認することが重要です。第一種動物取扱業の申請には用途地域に関する記載がありませんが、のちのち用途地域で開業が認めれていない場所であることが判明した場合、営業ができなくなり、移転しなければならない事態になりますので注意が必要です。
最後までお読みいただきありがとうございました!