宇宙活動法と3つの許可制度

宇宙ビジネスの手続き

宇宙活動法における3つの許可制度

民間企業が宇宙ビジネスを進めていくためには国(内閣府)に3つの許可処分を受けることが必要になります。
①人工衛星等の打上げに係る許可制度
②人工衛星の管理に係る許可制度
③第三者損害賠償制度

前回の記事で宇宙活動法における3つの許可制度について書きましたが、この記事ですが、「①人工衛星等の打上げに係る許可制度」「②人工衛星の管理に係る許可制度」「③第三者損害賠償制度」について書いてみたいと思います。

①人工衛星等の打上げに係る許可制度

・当たり前ですが、ロケットを「打上げてよいか」という許可が必要です。ロケットや打ち上げ施設が対象です。国内に所在する打上げ施設、または日本国籍の船舶や航空機に搭載された打上げ施設を用いてロケットや人工衛星を打上げる際、その都度、内閣総理大臣の許可を受ける必要があります(第4条)。

人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律
(許可)

第四条 国内に所在し、又は日本国籍を有する船舶若しくは航空機に搭載された打上げ施設を用いて人工衛星等の打上げを行おうとする者は、その都度、内閣総理大臣の許可を受けなければならない。
 前項の許可を受けようとする者は、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書に内閣府令で定める書類を添えて、これを内閣総理大臣に提出しなければならない。
 氏名又は名称及び住所
 人工衛星の打上げ用ロケットの設計(第十三条第一項の型式認定を受けたものにあってはその型式認定番号、人工衛星の打上げ用ロケットの飛行経路及び打上げ施設の周辺の安全を確保する上で我が国と同等の水準にあると認められる人工衛星の打上げ用ロケットの設計の認定の制度を有している国として内閣府令で定めるものの政府による当該認定(以下「外国認定」という。)を受けたものにあっては外国認定を受けた旨)
 打上げ施設の場所(船舶又は航空機に搭載された打上げ施設にあっては、当該船舶又は航空機の名称又は登録記号)、構造及び設備(第十六条第一項の適合認定を受けた打上げ施設にあっては、その適合認定番号)
 人工衛星等の打上げを予定する時期、人工衛星の打上げ用ロケットの飛行経路並びに当該飛行経路及び打上げ施設の周辺の安全を確保する方法を含む人工衛星等の打上げの方法を定めた計画(以下「ロケット打上げ計画」という。)
 人工衛星の打上げ用ロケットに搭載される人工衛星の数並びにそれぞれの人工衛星の利用の目的及び方法
 その他内閣府令で定める事項

出展 e-govサイト

なお、許可基準は宇宙活動法第6条に定められています。

人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律
(許可の基準)
第六条 内閣総理大臣は、第四条第一項の許可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。 人工衛星の打上げ用ロケットの設計が、人工衛星の打上げ用ロケットの飛行経路及び打上げ施設の周辺の安全を確保するための人工衛星の打上げ用ロケットの安全に関する基準として内閣府令で定める基準(以下「ロケット安全基準」という。)に適合していること又は第十三条第一項の型式認定若しくは外国認定を受けたものであること。
 打上げ施設が、次のイ及びロに掲げる無線設備を備えていることその他の人工衛星の打上げ用ロケットの飛行経路及び打上げ施設の周辺の安全を確保するための打上げ施設の安全に関する基準として人工衛星の打上げ用ロケットの型式に応じて内閣府令で定める基準(以下「型式別施設安全基準」という。)に適合していること又は第十六条第一項の適合認定を受けたものであること。
 人工衛星の打上げ用ロケットに搭載された無線設備から送信された当該人工衛星の打上げ用ロケットの位置、姿勢及び状態を示す信号を直接若しくは他の無線設備を経由して電磁波を利用して受信する方法により把握し、又は当該人工衛星の打上げ用ロケットに向けて信号を直接若しくは他の無線設備を経由して送信し、反射される信号を直接若しくは他の無線設備を経由して受信する方法によりその位置を把握する機能を有する無線設備 人工衛星の打上げ用ロケットが予定された飛行経路を外れた場合その他の異常な事態が発生した場合における当該人工衛星の打上げ用ロケットの破壊その他その飛行を中断する措置(次号及び第十六条第二項第四号において「飛行中断措置」という。)を講ずるために必要な信号を当該人工衛星の打上げ用ロケットに搭載された無線設備に直接又は他の無線設備を経由して電磁波を利用して送信する機能を有する無線設備
 ロケット打上げ計画において、飛行中断措置その他の人工衛星の打上げ用ロケットの飛行経路及び打上げ施設の周辺の安全を確保する方法が定められているほか、その内容が公共の安全を確保する上で適切なものであり、かつ、申請者が当該ロケット打上げ計画を実行する十分な能力を有すること。 人工衛星の打上げ用ロケットに搭載される人工衛星の利用の目的及び方法が、基本理念に則したものであり、かつ、宇宙の開発及び利用に関する諸条約の的確かつ円滑な実施及び公共の安全の確保に支障を及ぼすおそれがないものであること。

出展:e-gov法令検索

②人工衛星の管理に係る許可制度

・人工衛星は打上げたら終わりでは困ります。その後の管理も適切に行う必要があります。
・人工衛星を管理する者に対する許可制度です。国内に所在する人工衛星管理設備を用いて人工衛星の管理を行う場合は、人工衛星ごとに許可を受ける必要があります(同20条)

人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律
(許可)
第二十条 国内に所在し、又は日本国籍を有する船舶若しくは航空機若しくは我が国が管轄権を有する人工衛星として内閣府令で定めるものに搭載された人工衛星管理設備(以下「国内等の人工衛星管理設備」という。)を用いて人工衛星の管理を行おうとする者は、人工衛星ごとに、内閣総理大臣の許可を受けなければならない。
 前項の許可を受けようとする者は、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書に内閣府令で定める書類を添えて、これを内閣総理大臣に提出しなければならない。
 氏名又は名称及び住所
 人工衛星管理設備の場所(船舶又は航空機に搭載された人工衛星管理設備にあっては当該船舶又は航空機の名称又は登録記号、人工衛星に搭載された人工衛星管理設備にあっては当該人工衛星の名称その他当該人工衛星を特定するものとして内閣府令で定める事項)
 人工衛星を地球を回る軌道に投入して使用する場合には、その軌道
 人工衛星の利用の目的及び方法
 人工衛星の構造
 人工衛星の管理の終了に伴い講ずる措置(以下「終了措置」という。)の内容
 前号に掲げるもののほか、人工衛星の管理の方法を定めた計画(以下「管理計画」という。)
 申請者が個人である場合には、申請者が死亡したときにその者に代わって人工衛星の管理を行う者(以下「死亡時代理人」という。)の氏名又は名称及び住所
 その他内閣府令で定める事項

出展:e-gov法令検索

③第三者損害賠償制度

打上げたロケットや人工衛星の落下による損害賠償責任規定です。ロケット落下と人工衛星とで分けられています。
ロケットの落下 
・ロケット等の落下により損害を与えた時は過失の有無にかかわらず、打上げる者が責任を持ちます。ロケットや人工衛星を製造した者(=メーカー)は責任を負いません(製造物責任法の適用対象外です)
・ただ、メーカーが一切責任を負わないわけではなく、打上げる者がメーカーに対して、一定要件の下で求償することは妨げられていません。
■人工衛星の落下
・人工衛星については打上げる者もメーカーも責任を持ちます。共同責任ですね。
また、人工衛星等の打上げを行うものは、①ロケット落下等損害賠償責任保険契約及び、②ロケット落下等損害賠償補償契約を締結することを義務付けられています。また、保険契約対象とならない特定ロケット落下による損害は政府が補償することが想定されています。

まとめ

宇宙活動法における行政書士の取扱い業務として
①人工衛星等の打上げに係る許可制度
②人工衛星の管理に係る許可制度
の2つについて代行手続きが考えられるのではないか思います。