宇宙関連法と行政手続き

宇宙ビジネスの手続き

宇宙ビジネスとは?

宇宙ビジネスと言えば国家の取り組みというのが数年前までの常識だったと思いますが、それを民間のビジネスにしたのは、電気自動車テスラの最高経営責任者CEOでもあるイーロン・マスクです。イーロン・マスクはスペースXを2002年に立ち上げました。スペースXの設立から16年後の2018年に売上高20億ドル(2800億円)を達成しています。スペースXがすごいのはロケットのモデルそのものを変革したこと、スーツに例えるとフルオーダメイドのテーラーメイドから量販店の汎用品に変えたこと、使い捨てだったロケットの再利用を実現したことです。国際宇宙ステーション(ISS)で日本人初の船外活動を行なった野口聡一宇宙飛行士が書かれた記事が分かりやすいので、ご覧ください。

イーロン・マスク率いる「スペースX快進撃」の理由 1957年10月4日の世界初の人工衛星「スプートニク1号」の打ち上げから、この10月で65年になります。現在では、若田光一 toyokeizai.net

宇宙ビジネスに関連する法律や規制、そして許認可

(1)宇宙活動法

宇宙活動法とは世界各国が宇宙空間での活動を調整し、紛争や危険な事態の予防を目的とした国際的な規制を目的として、日本では2018年11月15日に「人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律(通称:宇宙活動法)」として施行された法律です。宇宙活動法の詳細はこちらのサイトをご覧ください。
宇宙活動法の申請受付の窓口は内閣府になります。内閣府では以下の許可/不許可処分を行います。
・人工衛星やロケットの打ち上げに関する許可
・人工衛星の管理に関する許可

(2)衛星リモセン法

衛星リモセン法は①情報がテロリスト等に悪用されない制度が必要、②他国は既にルールをつくっている③基準を明確化して予見可能性を高める必要がある④新ビジネスへの期待といった事情で2022年2月22日に「衛星リモートセンシング記録の適正な取扱いの確保に関する法律(通称:衛星リモセン法)」として施行された法律です。衛星リモセン法の詳細はこのサイトこのサイトをご覧ください。
衛星リモセン法の申請受付の窓口も内閣府になります。内閣府では以下の許可/不許可処分を行います。
・リモートセンシング装置の使用許可
・リモートセンシング記録取扱者の認定

(3)宇宙資源法

宇宙資源法は、資源採取の目的や方法などを記載した事業計画を国に届けて許可を受ける必要をまとめた法律です。宇宙の憲法とされる宇宙条約は、月その他の天体を含む宇宙空間の国家による取得を禁止する一方で、資源の所有権は明記しておらず、日本の国内法として2021年6月15日に「宇宙資源の探査及び開発に関する事業活動の促進に関する法律(通称:宇宙資源法)」として施行された法律です。宇宙資源法の詳細はこちらのサイトをご覧ください。
宇宙資源法に関する申請受付の窓口も内閣府になります。内閣府では以下の許可/不許可処分を行います。
・宇宙資源の探索や開発の許可

この3つが宇宙ビジネスに関連する主な法律となります。3つの法律とも内閣総理大臣を長とする機関である内閣府が所管となります。宇宙ビジネス自体がまだ黎明期であり、中央官庁が行政手続きの窓口となるのも仕方ないことかもしれませんね。

最後までお読みいただいてありがとうございました。