行政書士として物流の2024年問題に対する取り組み(1)

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物流の2024年問題とは?

物流の2024年問題とは、2024年4月1日からトラックドライバーの時間外労働の960時間上限規制が適用され、労働時間が短くなることで輸送能力が不足することで、私たちの日常生活や社会活動に大きな影響がでることになります。当日宅配サービスが受けられなくなったり、スーパーに行っても商品が陳列されてなかったり、病院に行っても薬がなかったり、建設現場に建設資材が運ばれなくなることで建設工事が進まなくなったり、と私たちにも大きな影響が発生します。

知っていますか?物流の2024年問題 | 全日本トラック協会 | Japan Trucking Associationjta.or.jp

なぜ、トラックドライバーの時間外労働が960時間上限となるのか?

政府(厚生労働省)が主導する働き方改革の一環です。皆さんも色々なところで目にすると思いますが、日本の労働生産性は諸外国と比べて極めて低く、2022年における一人当たりの労働生産性はOECD(経済協力開発機構)加盟国38か国中29位で、過去20年以上の下位に甘んじています。そこで政府は、労働集約型産業の象徴である物流業界に対して、「トラックドライバーの長時間労働を止めなさい。時間外労働は年間960時間までだ」と決めました。私も知らなかったのですが、トラックドライバーの時間外労働って上限がなく無制限に時間外労働できたんですね。

時間外労働=残業は善か悪か

時間外労働、つまり残業が善か悪かについては、議論が分かれるところかもしれませんが、本人が望んで時間外労働を行い、ちゃんと時間外労働賃金を払ってくれる場合は「善」だというのが私の考えです。一律に時間外労働が悪だというのは極端な考え方だと思います。私の勤務先では一般社員に対して、時間外労働賃金はちゃんと払ってくれます。また一般社員もバリバリ仕事がしたくて、どうしても時間内に仕事が終わらなくて時間外労働になって働く場合もありますし、また若手社員はどうしても給与が低いので、時間外労働をして生活費に当てている場合もあります。実際に私の勤務先でも絶対に残業をしてはいけない、残業は悪だといった時期があったのですが、若手社員からすると「自分の時間が持てるのはいいのですが、給料が減るのはつらい」といった声を聞くこともありました。トラックドライバーでも同じことが言えるのではないかと思います。トラックドライバーも時間外労働が減ることにより、給料も減るでしょうから、ただでさえ、成り手の少ないトラックドライバーがさらに減ることになり、ますます輸送能力が不足して、私たちの日常生活や社会活動に大きな影響が出ると予想されます。
ちなみにトラックドライバーの年収ですが、大型で463万円、中・小型で431万円だそうです。全産業平均が489万円です。単に時間外労働を減らせばよいという問題でもないのかなと思います。

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厚生労働省HPより https://driver-roudou-jikan.mhlw.go.jp/truck/work

行政書士として物流の2024年問題について何ができるか

物流業界としては、荷主と物流事業者連携して「荷待ち時間や待機時間の削減」、「労働環境の改善」、「翌日配送の低減」や「標準的な運賃の適用」、「燃料サーチャージ負担」、消費者の協力として「再配達を減らす配慮」「まとめ買い(まとめ注文)」などを挙げています。
私は行政書士として、この「物流の2024年問題」に対して、何が取り組めるのか、何ができそうかを次の記事で書いてみたいと思います。